そこまで 考えているお祖母様は 残りの時間が 長くないことを 察していた。 でも 恐れや不安は 少しも見せずに。 最後まで 家族のことだけを 考えている。 「いずれ、命は消えます。それは 悲しいことじゃないから。最後まで 自分のままで いたいんです。」 お祖母様の 毅然とした言葉は 翔だけでなく 速水先生をも驚かせた。 「わかりました。後程、尊厳死の 確認書面を用意します。」 そっと言う速水先生に、お祖母様は 静かに微笑んで お礼を言った。