入院中のお祖母様と 病室で過ごした時間は 翔にとって、かけがえのないものになった。


家族が帰った後、翔は そっとお祖母様の病室に入る。
 

「お疲れ様。」

お祖母様は 笑顔で、翔に 労いの言葉を掛けてくれる。
 

「お祖母様、気分はどう?」


翔は お祖母様の 脈を取りながら聞く。
 

「とっても良いわよ。さっきまで、紀之達がいて 賑やかだったのよ。」

と明るく言う。


翔が、お祖母様の胸に 聴診器を当てると、お祖母様は クスッと笑い、
 

「翔、すっかり お医者様らしくなったね。」

と言った。