開業資金を 調達してもらって まだ2年も経っていないのに。 恐縮する奈緒に、 「奈緒ちゃん 俺達も できないことはしないから。大丈夫。うちの財産は このくらいでは なくならないから。」 と樹は笑う。 「私、どうやって お礼をすればいいのか わからない。」 翔の家族の 温かさに 奈緒は 涙を滲ませる。 「みんなが できることを すればいいんだよ。奈緒ちゃんは 自分の仕事を 頑張ればいいの。」 父の言葉に、奈緒は頷く。