自分の家族が 他の家と違うことに、翔は 案外早くから 気付いていた。


翔の家族は とても仲が良い。

両親と兄の樹、そして祖父母と暮らす家は、とても居心地が良い。


家族みんなが、ほとんど リビングで過ごす。

家族といることが楽しくて。
 


すぐ近くに住む 叔父一家も 家族同然で、いつも 一緒に行動していた。

だから 従兄妹の絵里加と壮馬は、兄妹のような存在だった。


翔にとって、当たり前と 思っていたけれど。


でも 他の家は そうでない。