その瞳で私を見て

それに気づいた男は、こっちを向き寄ってくる。

「腰、抜けたの?立てる?」

っと優しく言ってきた。

「ごめんなさい。立てそうにないです。」

我ながら情けない。こんなことで腰を抜かしてしまうとは。

1人でガッカリしていると、
ヒョイッといとも簡単に私を持ち上げた。
いわゆるお姫様抱っこってやつ。

「えっ!あの…」

フワッと香る少し甘い香水のいい香り。

「仕方ないじゃん、我慢して」

「ほんとごめんなさい。助けて貰ってばっかで…


「気にすんなよ、てか名前は?」

いきなり聞かれた名前。
助けてもらったのに言わないのは失礼かと思い口にする。


「…篠原唯奈です。」

「ふーん、唯奈か。」

それだけいい男は黙ってしまった。

「あの、自分も名乗るのが礼儀ってもんじゃないんですか?」

っとついつい言ってしまった。

せっかく助けて貰っておまけにはこーやって抱っこされてるのに、なんて生意気なんだ自分なんて思いながら。