その瞳で私を見て

私より10センチほど高い身長に、二重で切れ長の大きな目。鼻筋の通った高い鼻に、綺麗な唇。
そして漆黒の髪の毛。

これこそまさに動く彫刻。その顔に釘付けになってしまい、何も言えずに立っていると、

「おーい、大丈夫か?」
と私の目の前で手をヒラヒラさせる。

はっと気づき、

「は、はい、助けてくれてありがとうございます。」

ペコッと深くお辞儀をする。

男はフッと笑い、

「ここにいるとこいつ、いつ目覚ますかも分かんねぇし、表行くよ。」

それだけいい表に行こうとする男。
私もついて行こうと思い、歩こうとする。

だけど…

ドサッ

あれ、腰が抜けちゃった…そのまま地面に座り込んでしまった私。

立とうとしても立てない。それほど恐怖が消えたことへの安堵感なのか。