「やっぱり命ちゃんは優しいよね。
なんだかんだ言っても、僕の事無理やり追い出したりしないし」
「誰のそばにいるかなんてその人の自由だもの」
「ほら、そういう所。
だから僕は君のそばに居るのが心地良いんだよね」

あまりにも屈託のない笑顔で再び手を差し伸べてくるので、
何も言い返す事が出来ずに、大人しく差し出し出された手を取った。

彼はそんな私の様子にまた微笑みながら
手を引いてベンチへと誘う。

毎度毎度言いくるめられてはこうして同じベンチに腰掛けて
なんでもない、彼の日常の話を聞くのだ。

やれ、今日は誰に告白されただの
先生と遊んだだの
何を食べただの
本当に下らない事。