なぁに、秋」
「好きだよ。
酷い事だって分かってるけど
死んじゃう前に伝えたかった。ずっとずっと、抱きしめたかった」

月夜にこぼれた涙がぼんやりと照らされる。
そのままあたたかな温もりに包まれた。
ああ、私もずっとこうしたかった。
好きだよ、秋。

「大好き」

言葉にしてしまうと思っていたよりずっとシンプルで、優しくて、愛おしい。
私を抱きしめる腕に力がこもった。

「いつまでもこの時がずっと続けばいいのに」