それから秋の通院生活が始まった。
退院出来たのは、せめて最後は自由に、という医師の計らいである。

病気の事も学校側が知ってから、
先生達はことさら秋に甘くなったので
彼はここぞとばかりに授業をサボってみたり、陽介先輩を巻き込んで私の教室で一緒に授業を受けたり、とのんびり気ままに自由を謳歌していた。

但し、学校の生徒達にはこの事は秘密にして欲しいと先生達に言われている。
秋は学校一の人気者。そんな人が余命宣告を受けたとあれば、他の生徒達に少なからず影響が出るからだ。