命が謝ることじゃない。
命は何にも悪くない。悪いのは全部あの父親だ。お願い、謝らないで......」

そう言って再び私を抱き寄せた秋の声が震えていた。
上を見上げると澄んだ色の瞳から
透明な雫がパタパタと滴り落ちてきた。
涙の雨だ。

"綺麗だ"

秋のその言葉に私も涙が止まらなくなり、
広い背中に腕を回して縋り付くように泣いて、泣いて、泣いた。

「へへ、秋ってばそんなに泣くんだね」
「命の分も泣いてるの
......話してくれてありがとう」
「こちらこそ、聞いてくれて、
こんな私を受け入れてくれてありがとう
ってあ!服!!!」
「今更でしょ。はははっ」

お互いに涙も枯れた頃、
私が我に返って服を着て、また秋を笑わせた。