運命って信じますか?

昔、親に見せられた絵本の中に出てくる王子様


「いつか、空音の前にも現れるよ」


お母さんが言ってくれた一言

きっと、いつかそんな人が現れてるって信じ続けて……約10年

そんな私、高2の佐倉空音(さくらそらね)は恋というものに経験した事がありません


「王子様かぁ〜、それって…つ・ま・り”爽やか王子”じゃん」


そう言ってくる親友の色乃色葉(しきのいろは)

黙ってればモテると言われている美人ランキング1位


「色葉は、綺麗だから王子とかと付き合えそうじゃん」


机の上に項垂れて居ると前から笑い声が聞こえてくる


「私がモテるとかマジで言ってんの?」

「私は、初恋とも呼べる恋すらした事ないんやで」

「はい、はい」


私だって、色恋の一つや二つぐらいしたいよ


「そうだ空音…私、彼氏出来たんだ」


急に言われてので大きな声を出してしまった


「だから、男子落ち込んでるんか」


そう声に出すとクラスの視線は私に集まった

それを見た色葉は苦笑いする


「大丈夫だよ、空音なら直ぐにとは言わ無いけどいつか現れくれるよ空音だけの”王子様”が」


窓の外を眺めながら言う色葉は綺麗で見惚れてしまいそうだった