からふる。～第２２話～

部屋に戻った私はベットに仰向けになり、天井を見つめた。


私は分かった気がした。


黒羽くんは前深夜に泣いていたことがあった。


なんか深刻そうで、辛そうで、私の耳にいつまでも残っていたあの泣き声。


そして、時々見せる儚げなあの表情。


そこから読み取れるのは、


黒羽くんは何か大きな爆弾を抱えてるってこと。


それを爆発させないように無理に笑おうとしてる。


そして、


何も知らない私に色んなことを教えてくれようとしている。


練習と偽って私との時間を作り、私を喜ばせようとしてくれているのだろう。


そんな彼の優しさの裏にある悲しみを私はどうしてあげたらいいのだろう。


私は黒羽くんに何をしてあげられるだろう。


手探りでも前に進んでいくしかないのかもしれない。



続く...