からふる。~第22話~

長さ15センチくらいのポッキーを挟んで向かい合う私と黒羽くん。


緊張して手汗びっしょり。


そして心臓がバクバクいって昇天しそう。


こんな危険なゲームやらない方がいいって。


前園さんを殺さないであげて。



「よし。じゃあ始める。さあや先に噛め。おれが合図する」


「分かった」



ここまで来たらやるしかない。


さっさとやって終わらせよう。


私は先端に口をつけた。



「じゃあ、よーい、スタート」



私は一瞬噛みついて直ぐ様離した。


しかし、黒羽くんはもう一方の先端からガリガリしながらポッキーを吸い込んでいく。


これに何の意味があるのか分からない。


よくよく考えてみたら面白い...!


うふふふ。


何この顔...!



「あははは!な、何その顔!あははは!」


「お前っ!おれの顔見て笑うんじゃねえ」


「あははは!」



お腹を抱えて笑った。


は~あ。


面白すぎでしょ。


こんなんじゃ、前園さんをドキドキさせるどころか笑わせちゃうよ。


こんな早朝に、こんなゲームで笑うことになるとは思わなかった。


完全に1本取られました。


私の負けです。