コンコン。


眠い目を擦っていた時にドアがなった。



「おれだ。こんな時間に悪いがさあやに話がある」



悪いって思うなら明日にしてくれればいいのに。


今日はもう疲れてヘロヘロなんだから。


でも助けてくれたのに申し訳ないから私はとりあえずドアを開けた。



「何?こんな時間に」


「大丈夫か確認しに来た。なんか、桃といる時辛そうだったから」


「ちょっと疲れてただけだよ。黒羽くんも疲れたでしょう?今日は助けてくれてありがとね。お休み」


「おい待て」



閉めようとしてものすごい力でドアを押さえられた。


これは勝てませんね。



「図星だな」


「違うよ」


「おれの目はごまかせない。桃と昔の自分を重ねて辛くなってるんじゃないのか。辛いなら素直にそう言えよ。なるべく遭遇しないようにするから。な?」


「そう言われても...」


「いいか。大親友のおれとさあやの間に隠し事はなしだ。ってことで11日じゃなくてさあやは10日か。楽しみにしてる」



11日?


なんかあったっけ?


ぽかんとしてると、私の頭に手が乗った。



「ポッキーだよ。じゃあな。よく寝ろよ」



それだけ言って去ってしまった。


はぁ...。


私は力なく座り込んだ。


そして頭に自分の手を乗せる。


なんで私こんなに...


こんなに胸がとくんとくんするの?


おかしいよ...。


おかしいよ、私。


だって私は...


私はしゅうくんが好きなのに。


それなのにどうしてこんな熱いの?


こんな痛いの?