月明かり、君と歩く。

しばらく寝てしまったのか、もう日はすっかり高くなっていた。
やばい！10時30分だ！
寝過ごしてしまった！
でも、行かないと怒られるっ！きれいな着物に着替えながら、なんて言おうか考えたが、思いつかないまま、ついてしまった。私には、一生住めなさそうな豪邸。ここで私は掃除の仕事をしている。門をノックすると、中から豪華なドレスを着た女性が出てきた。やばい、めっちゃおこってる。
「遅れてごめんなさい！」
「何をしている。遅れるのは津君町の恥、日本の恥、人間として恥とあれほど行ったのに。
今日は給料はなしだよ。」
「で、でも、私、生活が…」
「おだまりっ。いいからとっととしな。」
「は、はい…」
私は、置いてある掃除道具の中からほうきを取り出し、廊下を掃除した。
西洋風の家にはいつまで経っても慣れないな。
7歳の時からここで働いている。ここ以外は雇ってくれなかった。
給料はよくないけど、仕方がない。
1ヶ月働いても1ヶ月分の雑穀米しか買えない。
本当はそれにも満たないけれど、米屋の店主がおまけしてくれる。
学校にも行ってないし、今は１日１日が精一杯で、将来のことなど考えられない。