「君は君で、オーロラのお父さんはお父さんだ。全然違う。恐れることも、卑屈になることもない」

アルフィーの言葉に、オーロラの心が揺れる。ユダやアルフィーに何度もかけられ、そのたびに嬉しくなった言葉だ。

「……でも!」

オーロラは気持ちを胸にしまい、口を開く。その時、「お待たせいたしました」とオーロラの目の前にカクテルが置かれた。カシスリキュールの加えられた美しいカクテルだ。

「俺の気持ち、受け取ってくれる?」

アルフィーがオーロラの手に口付け、微笑む。オーロラは頰を赤くしながら「どういうこと?」と首を傾げた。

「キールのカクテル言葉は、最高の出会い、陶酔。俺は君に魅了されて酔っているんだ」

「なっ……」

胸が高鳴り、何も言えなくなったオーロラにアルフィーは優しくキスをする。二人きりの世界に気付けば閉じ込められていた。オーロラはもうこの場から逃げ出すことはできない。完全にアルフィーに囚われてしまった。