私が小学生の時両親はすごく仲が良かった



お父さんの仕事が休みの時は家族3人でずっとお出かけしてた




優しいお母さんと
カッコいいお父さん


こんな暖かい家族と一緒に居れるなんて本当に幸せ、私って





小さい頃から可愛いものが大好きで

ちょっと嫌なことがあったらすぐ泣く泣き虫で

大きくなったらお姫様になりたいなぁ〜







なんて言ってたこともあったなっ






今思うと



そこが幸せの再絶頂だったなって
めっちゃ思う


中学校に入ってから


私は部活と勉強を必死に頑張った



ちっちゃい頃から空手、柔道、剣道
、合気道


そう言った習い事を習っていた



お父さんが愛姫は可愛いからもし、悪い人に捕まっても少しは抵抗できるようにって




私は、それらの4種目では全て全国
1位だった




その度に両手が褒めてくれてすごい嬉しかったのを覚えている




4つの中で剣道だけが部活として、あったので即決定





中学校1年生にして全国1位!






でも両手が褒めてくれることはもうなくなった







なんで?


どうして?

どうしてよ!




私が中学2年生の夏、学校に行っている時に母は誤って足を滑らせ二階のベランダから
落ちたらしい





打ち所が悪くて







大好きなお母さんは亡くなった






信じられなかった

訳がわからなかった





最近ベランダの柵がグラグラしていたのは知っていた





それについて一度お母さんに訪ねたことがある





でもその時は無理やり話を晒された





あの時もっとしっかり事情を聞くべきだった






今言っても、もう遅い




お母さんが死んでからすぐ


部活を辞めた

勉強もしなくなった

髪も金髪に染めた

ピアスもたくさん開けた




今思えば完全な反抗期だよね




でもそん時はお母さんを無くした
ショックで頭だおかしくなってたんだと思う





私が学校で派手な格好をしていたせいか、そこら辺の不良、
暴走族なんかも私1人に男何人もで
喧嘩を毎日と言っていいほど売られていた





でもずっと習い事とかを習っていたおかげで何人相手でも私が負けることはなかった


今までに何人倒したなんかそんなの分からない


でも売られた喧嘩は全然買った記憶がある




家に帰るとお父さんが、帰ってくるのが遅いだの、髪が明るいだの


絶対うるさいと思ったので




私は少し離れたあ母さんのおじいちゃん、おばあちゃんの家に帰っていた




いつも笑顔で接してくれて




でも逆にその頃の私にはその笑顔がすごく、苦しかった





お母さんの笑顔と少し重なって見えたから









ある3年生の春、私とお父さん、お母さんが住んでいた家をいきなりお父さんが売る
と言い出した





最近お父さんにはあっていない




何ヶ月ぶりだろうか




自分の荷物もあの家にあるので色々整理しに家に帰った







家のドアを開けた瞬間




気味の悪いお父さんの笑顔があった



なんとなくすごい怖さを感じた




その瞬間


『グッッ!』とお腹を1発殴られた


その殴られた感じで全てを理解した







もしかして、お母さんもこうして、





ずっと殴られていたの、、、





この目の前の人の殴り方、明らかに慣れている




今まで喧嘩ばっかりしてきたからなんとなくわかった









もしかしてベランダの柵が少しずつグラグラになっていってたわけって




これだったの







お母さんはわたしが知らない間にずっとこんなことを?






そんなことを考えていると
次は足が勢いよく私の方には向かってきた







私はその足を掴み力ずくで投げ飛ばし目の前の男を何度も殴った







さっき殴られたところもそこまで痛くないのに涙が溢れでてきた






気づいたら、目の前の男は泡を吹いて倒れていた







でもお母さんはもっとしんどい思いをしたと思う





早くこの家を出よう







荷物をまとめでようとした






でも最後に




勇気を出してお母さんの部屋に入った入った途端また涙が溢れそう




お母さんの机の引き出しを開けたら




なんと、宇愛へと書かれていた






私は驚いて



すぐさまその手紙を手に取った








宇愛へ

まずは愛姫に謝らないといけないことがあります。
あなたは小さい時
ピアノを習いたい!
バレエも習いたい!
そう言ったのは覚えていますか?
でも私は考えた結果お父さんに怖い人にあなたが捕まったら大変だから
とか色々理由をつけて
空手、柔道、剣道、合気道を習わせました。
あなたがやりたかったこと
やらせてあげられなくて本当にごめんなさい。
私はこの手紙をもしもの時のために書いています。
あなたがこの手紙を読んでいるってことはそうゆうことなのね
ごめんね宇愛
本当にごめんなさい
スマホはずっと管理されていたし、ずっと脅されていたから下手に動けなかった。
私が出来ることはこの家で宇愛を守り抜くことだってわかったの
どんだけ痛くても、苦しくても
宇愛の笑顔を見るだけで心が楽になれた。
ありがとう。
強い子に育ってくれて良かった
あなたは心も体も自分が思ってるよりもずっと弱いのよ。
だからね、あなたのやりたいようにやりなさい。
あなたの人生なんだから。
行きたいところに行って、やりたいことをしなさい。
お母さんは宇愛の味方だからね
どこにいても

大好きな宇愛

お母さんより














私は涙が止まらなかった






この世界が海になっちゃうんじゃないかって思うぐらいに







私は荷物とその手紙を持って交番に駆けつけた









涙で声が出なかったけど



必死で訴えた






何より私が殴られたことと、その
手紙でお父さんは逮捕された







後にわかったことはお母さんはお腹や腕にあざが数カ所あったらしい








お母さんごめん、



ごめんね気づいてあげられなくて



本当にごめんなさい




それに習い事をする前って





そんな昔からだったなんて






次の日から私はやりたいことを考えた










中学を卒業後




私はおじいちゃんとおばあちゃんに東京に行きたいことを相談した



最初は心配してたものの最終的には納得してくれた






お母さんが私のためにずっと貯めていてくれた貯金とバイトを頑張ればなんとかなる






東京には2年生の時修学旅行で行ったことがあるし、何よりお母さんとの・・・






すごいキラキラしてて、そんなに世界って広いんだって感じた
全てが見えた気がした






ずっとしてみたかった東京での暮らし





すっごく楽しみ







でもその前に


もう一つやりたいことがある




昔は、あんなにも可愛いものが大好きなだったのに今は、、、








どこからどうみてもただのヤンキー






私は髪の毛を黒く染めた


ピアスも全て塞いだ


勉強も高校に入るため毎日頑張った



あと整形をした



もともとお父さん似の切れ長の奥二重で昔はこの目がとても綺麗で好きだった



友達からも愛姫ちゃんって美人だねって言われてた


すごく嬉しかった



でも今は、あの男に似たこの目が憎くて仕方がなかった














私の見た目はすっごく変わった




もう誰かわからないレベル



ヤンキーからいきなり真面目ちゃんだもんね




整形のダウンタイム


東京の住まい探し


制服



いろんなものに時間がかかっちゃて

夏から高校生活





そう今日から!






私は勢い良く玄関を開けた