でも月城君は少し違った



舞仁と輝威の私を心配して見る目と



月島 空海の何かを思い出したような、


何か言いたげなその表情に私は吸い込まれそうだった




「・・・くう君・・・」


あれ、また私その名前をなんで


無意識に口に出してたの?!


「・・・うさちゃん・・・」



月城君が口にした私のあだ名に

私は目から雨が止まらなくなった



なんでだろ



悲しくも



痛くもないのに




月城君の声を聞いた瞬間


懐かしさと



温かさで涙が止まらなかった




月城君が今どんな顔をしているのかを見たいのに




涙でそれも許されなかった



「ごめん、舞仁・・・私用事思い出しちゃった、先帰るね」


「えっ、ちょっ、うさぁ!」



私は舞仁の言葉を無視して教室を出た



「ぐっ、!」



何?!


私の体が少し後ろに動く






月城君が私の手を掴んでいた




もう!あなたのことで悩んでるのに!


そっとしていてほしい



私はまたもや、月城君の手を払いのけはしり出した