宇愛side


舞仁にちょっと待っててと言われたので、教室で舞仁のようが済むまで待つことにした




私は涼しい夏風に髪を躍らせていた




「・・・くう君・・・」




あれっ?私さっき何で言った?




誰の名前だっけ




忘れちゃダメな気がするのに思い出せない



無理に思い出そうとすると頭が痛くなってきた




私は彼の心に抱きしめられすごくあったかかったんだ





彼って誰?





誰の事を思っているの?





この記憶は??・・・




「うさ、おっまたぁー!」

舞仁が戻ってきた




行く前とは変わらない笑顔だけど




だけど




なぜか少し深刻さを交えた表情だった


舞仁の後に輝威君と月城君が入ってきた



「全然待ってないよっ!ふふっ、」

「・・・」


あれ?



何でみんな固まってるの?



「うさ・・・なんで、なんで泣いてるの」



「えっ?!泣いてないよ!」




私は自分の頬に触れてみた





「あれ?なんで私・・・泣いてるんだろう」





手に着いた水滴は、私が泣いていた事を物語っていた



3人ともビックリしてた




そらそうだよね


転校生が学校初日に教室で泣いてたらビックリもしちゃうか