「…言っとくけど俺がこの子につきまとってるんだけど?」






「れ…廉士…?何で?どうしたの?」






[“優しい”廉士]とは全く不釣り合いな口調に狼狽える女の人。





廉くんの大きなため息をつくと





「…あのさぁ、自分だけが幸せなら他人はどうでもいいワケ?付き合ってた時の俺って、幸せそうだったか?…優しくして笑ってても心ん中、ずっとツラくて苦しかったの気づいてたか?人の気持ち、もう少し考えろよ。」






廉くんはそう女の人に言い捨てると私の手を取って歩き出した。