振り回されるのは今になって始まった事ではない。それでも好きになってしまったのならば、それは仕方がない事。
きっとあなたはいつまで経っても意地悪なままで、わたしも何年経っても素直な女にはなれやしないだろう。
けれど、忘れないで。素直じゃなくっても、可愛げのない言葉しか言えないとしても、それは愛故と言う事を。
あなた以外に、こんな素のわたしを見せてはいない事。
「大輝、大好きよ…」
だけど時たま素直になるから、あなたはも意地悪なままで良いから時たま甘い言葉を頂戴ね。
あなたと言い合いばかりしている未来でも、きっと互いに鏡のように笑い合ってる未来ならば見えるから。
「美麗、愛しているよ―」
ベッドサイド。丸まっていた雪が耳をピクピクと動かしてわたし達の話を聴いているように見えた。
口角が上がるその口元はまるで笑っているかのように、安らかだった。