「もぉー…アンタってば何でそんな言い方しか出来ないわけー?!
わたしは安心したわよ。冷たい態度でも取られたらどうしようと思っていたのに、こんなわたしの事もあんなに暖かく受け入れて貰えて安心した…」
心からの安堵だったのは間違いない。
先日彼のおじい様に会ったばかりだったから。
赤信号で止まった車、彼が横を向いて少しだけ苦しそうに顔を歪めた。
「それは、祖父が失礼な事をしたからか…?」
その言葉に、空気が張り詰めていくのが分かった。 黙っていたのに、どうしてバレているの?
出来るだけ平静を装うとしたけれど、わたしはまだまだね。直ぐ思っている事が顔に出てしまう。…正直怖かったの。思い出して、今も体が震えるくらい。
「父から聞いた。あの祖父のやりそうな事ではあったけれど、まさかそこまでするとは思っていなかった。
どうしてアンタは俺に相談のひとつもしない。近頃上の空になったりしていたのも祖父が原因だろう…?」
「そりゃあそうだけど…。ちょっとびっくりして動揺しちゃって…
まさか手切れ金とかドラマの中の話だとばかり思っていたから…」
「だからひとりで抱え込むなとあれほど言っているのにッ!何故アンタは俺の言う事を聞けない?!」
少し怒り口調になっていたけれど、それも心配があっての事だ。
青信号になり再び車が動き出し、それでも依然として彼の表情は曇ったまんまだった。
「どうせアンタの事だからひとり思い悩んで、余計な事ばかり考えて、西城グループの為に俺と別れた方がいいだとか勝手に思っていたんだろう?!」
「いや、全然そんな事は思ってないけど…」
その言葉に唖然としたような顔を見せる。



