【完】淡い雪 キミと僕と


「ああ…」

「素敵な常務さんね、それに西城さんの両親の話も聞けて嬉しかった。
会った事はないけれど…きっと西城さんは愛されていたと思うよ?」

「どうだろう…」

「ぜーったいそうなのッ。…きっとすれ違ってしまってる事もあるんだと思う」

「まぁいいよ、もうそんな事は、いつまでも親の愛情を欲しがって泣いている子供でもあるまい。
それに今は親の愛情よりも美麗の愛が欲しいもんだ」

抱き寄せた美麗、さっきの続きをしようとしたら頬を殴られた。

昼間から最低よッと言葉を言い残し。なんだ?!さっきまでその気で俺に甘えてきたというのに?!

少しくらい元気になったからと言って、何故頬を殴られてるんだ、俺は!しおらしく見せていたのは演技か?!

これだから、女は。と思った瞬間、笑いがこみ上げてきた。

やっぱり美麗はそういう方が良い。でもお願いだ。たまには甘々な美麗も見せて欲しい。

時間はたっぷりある。一生を賭けて、君と生きて行く事はとっくに決めていた。だから毎日笑い合って、たまに喧嘩もして、たまにならば、殴られるのも許可しよう。

そんな笑いのある家庭を、君と築いていきたいんだ。

「ねぇ、わたし大浴場に行きたい!
それに館内もゆっくり見たいし。ママとパパにお土産も買うの~!後は千田ちゃんにも~。
早く行こうッ」

現金な奴だ。さっきまで泣いて落ち込んでいたかと思えば、もう元通り。

強引に手を引っ張り、館内に連れまわされる事になった。