「美麗泣かないでくれ…。俺が悪かった。もう無視はしない。それに絶対に美麗とは別れるつもりはない…」
「うぇ…うぇ…だって…うぇ…ずっと連絡も無視して…うぇ…わたしの事、もう嫌いになったかと…うぇ…」
「ごめん。本当にごめん。ただ佐久間と内緒で会ってた事にヤキモチを妬いてしまった…。
だから泣かないでくれ。俺が美麗を嫌いになる事は絶対にない。だから、お願いだから泣かないでくれ」
美麗の頬からあふれ出る涙を拭うと、唇にキスを落とす。 すると、少しだけ落ち着いたようで呼吸を整えた。
真っ赤にさせた瞳で、俺の顔を覗き込んだ。
「今日も…来てくれないかと思った。旅行すごく楽しみにしてたのに…怒って連れていってくれないかと思った…」
「そんな訳ないだろう。ごめんな?意地悪ばかりして…。どうやら俺はとても独占欲が強く、やきもち妬きらしい。だから、もう佐久間とは会うな。
あいつが何か言ってくるような事があったら、俺に言え。」
「分かった…。ごめんなさい…」
「俺も菫さんの事は黙っていたのは悪かった。美麗に余計な心配をかけてしまうと思った。けれど嫌だよな。
ふたりきりで食事とかは今後ないように気をつける」
「うん……」
美麗はまだ泣いてはいたが、手を繋いで歩くと少しだけ安心したのか、その手をぎゅっと握りしめて、俺からくっついて離れようとはしなかった。
こんな状況ではあったが、そんな美麗がいじらしく、可愛くて仕方がなかった。
美麗を小さくして、いつでもポケットに入れて持ち歩けたらいいのに。それくらい考える程、自分は彼女にベタ惚れなのだと改めて気づかされた。



