「美麗……」
「ごめ…ごめん…なさい…。
佐久間さんとは…本当に何もないの…誤解なの…
けれど、軽率にご飯に一緒に行ってしまい…本当に…ごめんなさい…
ただ西城さんも立場があるから…わたしの事を周りに知られたら困ると思い…本当に、ごめ…なさい」
言ってる側から、ぼろぼろと涙の雫が落ちていく。
大人げなさ過ぎたとはどこかで自覚をしていた。
けれどどうしても引っ込みがつかなくなってしまって…。
美麗が隠れて男と会うような女ではないと分かっていた。そう、これはただのヤキモチだったと言うのに。ここまで彼女を追いつめたのは、どこまでも子供染みた自分だった。
そっと美麗を抱き寄せると、彼女の肩がビクッと動いた。
俺は直ぐに熱くなるのを直した方が良い。意地を張って素直になれない所も。
「美麗、俺の方こそごめん…。」
「さいじょ…さん何も悪くない…わたしが悪い…
だから謝るから…無視したりしないで……。別れたいなんて言わないで…
ヒック、う…ヒック…、わたし、西城さんが…ヒック、好き…なの…」
別れるだなんて、一言も言ってないしそんなつもりはない。
でも美麗のその言葉で、どれだけ不安がらせていたかは痛い程伝わって来たし、俺の事がどれだけ好きかも理解出来た。
普段素直じゃない美麗が、顔をぐちゃぐちゃにして、俺へ縋り付いてくる様は、とても切ない。
…ごめん。ヤキモチだったんだ。意地悪をしたら、引っ込みがつかなくなってしまって結果ここまで苦しめた。



