【完】淡い雪 キミと僕と


「美麗ちゃんだけが知ってる優しさって奴かぁ~…。
なんかそんな風にお金でも顔目当てでもなかったら完全に勝ち目ないじゃんかぁ~…」

「でも、どうなんですかね…。彼と付き合うには…悩む事も沢山ありますよ」

これは恐らく、佐久間さんも同じ立場であるから、してしまった相談だと思う。

わたしは一般人。でも彼は、一般的に言えば普通の立場ではない。それはきっと佐久間さんも同じだと思ったから。

「わたしなんて普通の女の子だから…。普通だったらあんな大きな企業の一人息子と付き合えるわけないんですよ…。てか、結婚とかもありえないと思う。
佐久間さんのお家もそうじゃありませんか?立場があるから婚約者がいたり、普通の女性とは結婚出来ないというか…」

そんなわたしの話を、彼はきょとんとした顔で聞いていた。

「俺は全然。
つーか西城グループの事はよく知らないけど、うちは全然そういった事は無いよ。
ばーちゃんもじーちゃんも確かに金持ちだけど、その息子の親父は普通にうちの会社の事務だったかーちゃんと結婚したんだよ。
かーちゃんもかーちゃんで未だにふっつーにうちの会社で事務してる。
だから立場とかは全然関係ないんじゃないかなー?俺なんて会社継ぐとかそういうのないもん。うちは家族経営でもないからねー。能力がある人が会社のトップになればいいと思ってるし
俺も自分のファッションブランド立ち上げたいから、親父の会社で仕事してるだけだし、それに対して親父たちも何も言わないよ。いっつも潤の好きに生きろって言ってくれるよ」

「そうなんですか…」