【完】淡い雪 キミと僕と


久しぶりの丸一日の休日はほぼ物件巡りと美麗の買い物で潰れたが、家に戻り一緒にご飯を作って食べていると、彼女は実に楽しそうに旅行の話をしてきた。

「本当に楽しみ。
わたし、色々と調べたの、近郊の事を」

「何もない所だろう」

「あら、結構良さげな所よ。
確かに森に囲まれた宿みたいだけど、近くにアスレチックがあるんですって」

「アンタ馬鹿か…?12月の北海道は雪に埋もれてアスレチックなんか出来る訳ない」

当たり前の事を伝えたつもりだったが、美麗は偉くショッキングな顔をしていた。

その美麗の顔を覗き込み、また雪も笑ったかのような顔をして、馬鹿にしている(風に俺には見えた)

…これだから、旅行慣れをしてない奴は。まぁ少し頭を使えば12月の北海道で、外でアスレチックをする馬鹿はいない。

「バーベキューが出来るって書いてあったのに…」

「だから、それは春夏の話だろう?」

「近くに馬がいる牧場があって、乗馬も出来るって書いてあった!」

「阿保か、馬だって寒さで震えて凍える。
それに雪の上で乗馬なんてしたら、アンタ馬から落ちて頭打って死ぬぞ…?」

「そ、そんな……」

一体何の情報サイトを見た。

どうせ春や夏の北海道の情報でも見たのだろう。

それに夢かぐらは雪深い地域にある。少しは頭を使え。


しかしとて、春や夏では味わえない風情のある景色は見える事だろう。

俺の記憶も曖昧だが、アンタは更に見た事がないだろう。辺り一面雪景色の荒野を。

どこまでも続く白はきっと圧巻で、アンタが好きなロマンチックに当てはまるとは思うが…目の前の女は何故か肩を落とし、落胆している。そんな美麗を慰めるよう雪が顔をペロペロと舐めていた。