【完】淡い雪 キミと僕と


「何見てんのよ」

だからって、どうしてこんな言い方しか出来ないんだろう。

「料理の本だ。今日は仕事を終え本屋に向かった。沢山ありすぎて選べなかった」

ソファーの縁に、料理本だと思われる書籍が何10冊も積み上げられている。

え?!邪魔になるだけなんだけど。料理初心者のために、から高級イタリアンまでずらりと並べられる。

高級イタリアンなんて家で絶対に作らないだろう。

「ちょっと買いすぎじゃない?」

「これから時間を掛けて色々な物を作っていけばいい」

だからさ、その言い方。期待しちゃうよ。この先もずっと一緒にいれるんじゃないかって…。でも未来の事を思うと怖くなる。

だってこの人には婚約者だっている。ずっと一緒にいる未来なんて…想像出来ない。それを考えると段々と気持ちが重くなっていってしまうのだ。

書籍を一冊手に取り、パラパラと捲る。何を作ろうか、そう言いかけた時「材料は買ってきた」とキッチンを指さし、彼は得意げに言った。

キッチンのシンクの上には、スーパーの袋が置いてあった。西城大輝とスーパー。それは似合わな過ぎて、思わず笑ってしまった。

「何?アンタが買い物に行ったの?」

「おう、庶民のスーパーなんて利用しないが沢山の食材が売っていた。
あぁ、アンタにお土産もあるんだ」

大きな袋を開くと、そこにはいかにも体に悪そうな色とりどりの駄菓子がいっぱい入っていた。…なんて懐かしい。