「そんな事よりも、今度病院へ行ってみようと思うんだ」
「病院?」
そのワードを聞いて、一瞬頭の中に?マークが浮かんだけれど、直ぐに何の話をしているか理解った。
「お母さんの所?!」
「あぁ、実家に帰っていないから状況ってものをいまいち理解はしていないんだけど
恐らくは入院していると思う。家に置いておけない程錯乱してしまう事もあるくらいだ。小さい頃から入退院を繰り返してて、ちっとも良くなる気配はない。
体に悪い所があるのならば、手術でそこを取り除けばいい話なんだが、そうもいかない病気だしな。心つーもんは厄介だ」
お母さんの事を話す時の西城さんは、ほんのりと寂しそう。それは小さな子供みたいで、いつもの自信満々な’西城大輝’とはえらくかけ離れている。
虐待があった。それを受け止める子供の気持ちを考えると、胸が酷く痛んだ。
テレビでは、日々虐待のニュースを目にする。しかしそれも氷山の一角に過ぎないのだろう。殺されるまで動けないのならば、どうして虐待の保護施設が存在するのだと言うのだろう。
そして泣き寝入りのまま大人になる子供も少なくはないのだろう。
それでも子供は、母親が1番好きなんだと、わたしは思う。彼の頼りない横顔を見ても、そう思ったりするのだ。
「そっか…。でもきっと喜んでくれると思うよ…」
「美麗ママや美麗パパと話していて、思い出したんだ」
「パパとママと?」



