【完】淡い雪 キミと僕と


「何だ元気がないな、アンタらしくもない」

「別に。自分が何も出来ない人間だって落ち込んでいるだけだから」

「何を…。こんなにも料理が上手じゃないか!」

「何それ、嫌味?」

「嫌味なんか言ってない。本当に美味しかったんだよ。
不味いならおかわりなんてしない。それに見た目がいまいちなのは初心者なのだから仕方がないだろう。そういったものは練習を重ねていけば自然と上手くなるもんだ。
そんなに拗ねるな。アレだ!今度は俺も手伝おうじゃないかッ!
餃子なんてどうだろうか?!1回でいいから餃子の皮を巻いてみたかったんだ!」

「何よ、アンタが料理なんっておっかしいんだけど」

フォローしてくれてるんだろう。

しっかし、西城さんと料理なんて似合わなくて笑える。

餃子の皮を巻いている姿なんて想像つかないわよ。

「俺はこう見えても器用なんだ。きっとやって見れば料理も出来ると思う。
なんていったって俺は―」

「西城大輝、だもんね」

互いの顔を見合わせて、くすりと笑う。彼は悪戯な笑みを浮かべ「俺の言葉を言うなよ」とまた笑った。

一緒に料理も楽しいかもね。

きっとわたしの隣で彼は文句ばかり言うのだろう。その言葉にわたしは言い返して、でも出来上がりの料理を一緒に食べれば、またこういう風に笑い合えるのだ。

そう思ったら、悪くない。


「そういえば、昨日のメールは一体何?」

思い出したように、昨晩着ていた『アンタのせいだ』メールの件について訊いてみた。

まぁ彼の主語のないメッセージは珍しい事でも何でもないのだが、昨日の出来事も是非聞いてみたい。

別に篠崎リゾートの一人娘との事が気になるわけではない。あくまでも、興味本位での事だ。