【完】淡い雪 キミと僕と


からかいすぎか?顔を真っ赤にして怒る美麗は、とても面白い。港区で遊んでいた女とはとても思えんな。

どうしよう、どうしよう、と再び彼女はうろちょろと動き回る。それを追いかけるように雪が彼女の足元にじゃれついた。

「アンタ、ソファーね?」

「何故俺がソファーなどに寝ないといけない。サイズ的にソファーに寝るのはアンタの方だろ。俺は足が長いんだ」

「だってわたしのベッドなのよッ!?ソファーになんか寝たら、体が痛くなって明日の仕事に支障が出るわ」

「ならばベッドでふたりで寝ればいい。多少窮屈ではあるが問題ない」

「問題大ありだっつーの!」

ソファーから起き上がり、ベッドへ移動する。

花柄のピンクのベッドシーツは綺麗に整えられていて、そこに座るとふわりと羽毛が舞い、女の子らしい香りがした。

小さなベッドだったが、寝心地はまあまあ良さそうだ。

右手でトントン、とベッドを叩き、来いと合図する。美麗は眉をしかめたが、ゆっくりと隣に座った。その行動は意外だった。

「確かに…ふたり寝れない事はないけど」

ごろりと横になって、美麗に向かい右手を大きく拡げる。きっとこいつは’何やってんのよ!’と発狂するに違いない。こいつの行動は読めるんだ。

しかし、予想と反し彼女は華奢な身体をベッドに預け、俺の腕枕へそっと頭を乗せた。そして、大きな目で顔を覗き込んだ。

おい、何をしている?!

無表情のまま、右へ左へ美麗の身体は揺れる。揺れる度、彼女の髪の先からふんわりと良い匂いがしてきて、僅かに振れた肌は思っていたよりずっと柔らかい。

小さな熱が産まれていくのを自分の中で感じていた。

心とは対称的に、心臓が鼓動を刻む。刻み、それが徐々に速くなっていく。その場から硬直して、動けなくなったのは俺の方だった。