【完】淡い雪 キミと僕と


「ハハ、確かに美麗さんは素直じゃないですね…。
でも僕と美麗さんは確かに美麗さんの言う通り無関係ではあるかもしれませんが、僕にとって美麗さんは大切な人です」

お?俺は何を言っているのだ?

しかし、父親の手前って訳でもないらしい。美麗パパはその言葉を聞いたら、父親のような優し気な顔をして笑った。

本当に思っていたんだ。間違いなく、この3か月は特別な物であり、雪の存在があって、そこに美麗が居て、美麗は、自分にとって大切な人間になりつつある。

そりゃあ四六時中一緒にいれば、情つーもんも芽生えてくるだろう?だから俺だけが持つ特別な感情つー奴ではないと思うんだ。

誤解されたくないから言っておくが、その大切というのは恋愛的な物ではない。雪を大切にするように、雪の傍らにいてくれる美麗も大切にしたいってだけの話だ。

だから、苦手な女である事に変わりはない。



けれど、アレだな。確かにこの3か月。

琴子の事を考える日は少なくなってきた。慌ただしかったってのもあったけれど、人はいつか過去を思い出に出来る生き物なのだと思う。

切実に今、そう思う。それは雪のお陰が大部分を占めていて、まぁ美麗はおまけみたいなもんだったが。