このユニフォームは中々にいけ好かないが。美麗パパは気に入っているようだから、有難く頂いておこう。
美麗ママの迎えを待っている間。彼は何本目か分からない缶ビールを開けた。プハッと息を吐く姿は、まるでそのままビールのCMから出てきそうな人だった。
真っ黒な肌と青と白のユニフォームはとても似合っていて、くっきりとした二重瞼が柔らかく揺れる。球場のライトに照らされて浮かび上がった表情。
それを見て、美麗は基本的には母親似なのに、目元だけはとても父親に似ているのだ、と改めて確認した。
「ところで、大輝くんは美麗とはどうなのかなぁ~」
「え?」
「あいつに訊いても、あの人とは無関係なの!って言うだけでさ。」
「まぁ…美麗さんの言う通りでもあるとは思いますけど…」
「そりゃあそうだよなぁー。西城グループの一人息子が美麗ってこたあねぇよなぁ」
「いえ、そういう意味ではなくて。
僕のような人間には、とても美麗さんは勿体ないと思います。それに美麗さんには、嫌われていますし…」
「んな事ぁねぇよッ!俺は父親だから何となく分かんだ。美麗は大輝くんの事を気に入ってるにきまってらぁ。
ただあいつは素直さが欠けてるから、それを上手く伝えられない奴なんだよ」



