【完】淡い雪 キミと僕と


だから、アンタって何で時たますっごく素直なのよ。

悪態のひとつでもついて、両親の文句ひとつ言ってくれたものならば頭のひとつ殴れたものの、そんな嬉しそうな表情をして、素敵だときっぱり言い切られてしまうと、こっちだって文句も言えなくなるじゃないの。

確かに、パパとママの話を聴いている西城さんはとても楽しそうだった。

まるで子供が絵本を読んでもらっている時のように、眼がキラキラとしていて、それを八方美人だと言い切ってしまうのは言いがかりだったかもしれないけど。

彼が思い出したようにクスッと小さな笑みを浮かべる。

「産まれた時は不細工だったんだなぁ…」

「なっ!赤ちゃんっていうのは、皆不細工なものじゃない…。赤ん坊なんて皆そういったものじゃない?」

「俺は、産まれた時から整っていた」

「へーへー、そりゃーアンタとうちらじゃ産まれた時から出来が違うってね」

「産まれは、そんなに重要じゃない。と言うのがアンタの両親を見て思った…。
やっぱり子の人格成形の上で、両親というのは大切なのだと。
君がいくら港区で遊んでいようとも、多少馬鹿で軽はずみな所があろうと、どこか真っ直ぐで純粋なのは、あの両親に愛され育てられたからだ。
そう思えば、やっぱり俺はどこか人間として欠落している部分があるよ…。俺もアンタの両親のような人に育てられていたのならば、もっとマシな人間になっていたのだろう」