【完】淡い雪 キミと僕と


美麗は、スポーツ万能だった。しまいには、’わたしの足を引っ張らないで’と悪態をついてきた。

クソ女が、俺だってスポーツにかんしちゃここにいる誰よりも自信がある。

自分らしくなく、珍しく熱くなってしまった。スポーツに汗を流したのは久しぶりだった。最近では趣味のサッカーにもいけていなかったから。

それに比べ井上晴人はスポーツがてんで駄目で、ほぼユカリさんのソロプレイになっていて、我よ我よとシャトルを奪い合う俺と美麗は相当相性が悪いらしく、互いに肩をぶつけ、足を踏みあった。

「ちょっと!西城さんきちんと動いてくださいよッ!
下手かよッ」

「はァ?今のはぜぇっーーーたいアンタが返さなきゃいけねぇだろっ」

「違うねッ。今のは絶対に西城さんだし
これだからお坊ちゃまはぁ~
はぁ~」

「るせぇ、港区女子がよぉ?!」

「はぁ?今港区女子とか関係なくないですか?」

「じゃあ俺がお坊ちゃんなのも関係ねぇだろ!」

全く噛み合わない俺と美麗。

茫然と立ち尽くしているだけの井上晴人。勝負はほぼユカリさんの独り勝ちだったと言えるだろう。

後から聞けば、中高とバトミントン部だったらしい。

それでも額にめいっぱい汗を掻いた美麗は悔しそうに空に向かい「勝てる勝負だったー」と嘆き、何故か俺を睨んだ。

おいおい、足を引っ張ったのは絶対にアンタの方だからな?

しかし想像以上に気持ちの良いものだった。どこまでも続く、雲一つない青空の下で舞い散る桜。思いの外楽しい時間を過ごせたと思う。ただひとりを除いては