【完】淡い雪 キミと僕と


キッチンでは、クリスマスのご馳走の用意をするママ。

そしてわたしのデートの話を聞きつけるやいなや、洗面所までやってくるパパ。うざいなぁ~と一言だけ言い放ち、パパの話を無視し、香水を手首に馴染ませる。

パパは肩を落としてリビングに戻り、リビングのソファーから今度家に連れてこいと何やら叫んでいる。

こんな年齢になっても、パパとママはふたりきりでクリスマスパーティを楽しむ。そして互いにプレゼント交換をするほど、仲が良いのだ。

小さな頃はわたしもそこに混じって、曇りなき愛情を沢山貰った。

たまに喧嘩をしたら、今は落ち着いたママの元ヤン気質が出てしまうけれど、いつだってママはパパに弱いのだ。頭が上がらないのだ。

パパも元ヤンで、その腕っぷしひとつで建築会社を設立した社長だった。とはいえ、特別大きな会社でも無かったし、驚く程のお金持ちではなかった。



幼い頃は大きな体をしていたパパが大好きだった。

パパと結婚するの、なんて言っていた頃もあった。けれどいつからだろう、パパみたいな人と結婚するのなんてまっぴらと思い始めたのは

わたしはもっとお金持ちの、素敵な人と結婚するのッ。

昔は綺麗だったママは今は太ってしまって子豚みたいだけど、わたしはずっと綺麗なまんまで、お金持ちの旦那を見つけて、一生優雅な生活を送る。

なのに何故だろう。

若く美しかった頃のママよりも、今の太って子豚のような女が、未だにクリスマスだなんて決して素敵とはいえないパパとはしゃいで仲良しで、昔よりも綺麗に見えたのは、何故なんだろう。