近づいているようで、遠い。
そして、クリスマスにデートに誘ったのもわたしの方からだった。何故こんなに近づいていると思っているのに、遠く離れてばかり感じるのだろう。
わたしは彼が好きで、きっと彼もわたしに好意を持ってくれている。
そんなの気づかない程、鈍感ではない。けれど、待てど暮らせど彼の口から待ち望んだ言葉はいつまで経っても引き出せないままだった。
それでもクリスマスを一緒に過ごすと言ってくれたから、自分は彼にとって特別な女だと自惚れていた。何を根拠に、そんな自信が持てていたというのか。
クリスマスに彼から告白されるのだと信じていた。
でも、もしも照れ屋で消極的な彼がそれを中々言い出せずにいるのだとしたら、そこはわたしがリードしてあげよう。告白なんてした事は人生でなかったけれど、たまには自分から告白するのも悪くないかもしれない。
そう期待に胸を弾ませ、クリスマスイブを迎えた。人生で最低なクリスマスになるとは知らずに。
クリスマス当日。
その頃は実家で暮らしていたから、実家の洗面所の前で入念に髪を緩く巻いていた。
巻き残しはないか確認して、お気に入りのピンクのお花のピアスを耳につける。鏡の中にはメイクをばっちりと済ませた、完璧な自分の顔が写っている。
「美麗~、どこかに行くのかぁ?!」
「うふふ、パパったら、美麗はデートなのよ」
「で、デート?!マジか?!美麗。相手はどんな奴だッ?!」



