その優しい笑顔に 美咲の心は 熱い思いが溢れてくる。
 


「本当に?何か、嬉しいな。」


珍しく 照れて俯く美咲。

朝のホームの陽射しが眩しくて。
 


「美咲、照れないでよ。」


佳宏も 薄っすらと 顔を赤らめる。
 


「私達、熱々だね。結婚して10年近く経つのに。」

美咲は クスッと笑って言う。
 


「うん。美咲 今夜は 何か食べに行こう。食事 用意しなくていいよ。」


と佳宏は言う。


多分 佳宏も 甘い気持ちになっている。


そう思うと嬉しくて、美咲は笑顔で頷く。
 


「三人で銀座まで行こうか?」


美咲が言うと 佳宏は嬉しそうな顔を 少ししかめて、
 


「贅沢、覚えたな。どうせ、俺のおごりでしょう。おしゃれして来てよ。」

とやっぱり嬉しそうに言う。
 


「うん。佳宏も 早めに仕事 終えてね。」

美咲は、満面の笑顔で言う。
 

「俺 また冷やかされるよ、みんなに。」


と佳宏は 軽く美咲を睨んだ。
 


「いいの。佳宏のイクメンアピールは 浮気防止だから。」



美咲が言うと 佳宏は 愛おしそうに美咲を見た。