永遠に 続くかと思ったつわりは、始まった時と同じように 突然終わった。 朝起きた時、胃のムカムカが すっきり消えていた。 美咲は 試しにハムエッグを焼いてみる。 今まで、焼けた油の匂いに苦しめられていたから。 「美味しそう。」 と鼻歌混じりに 美咲は 朝食を用意する。 顔を洗い終えた佳宏は、驚いて 美咲を見つめる。 「美咲、大丈夫なの?」 と言って。 「うん。なんか 今朝は ムカムカしないの。」 と美咲も 笑顔で答えた。