「美咲 赤ちゃんの名前 幸輝ってどう?幸せに輝くで “ こうき ” って読むの。」

佳宏は翌日、美咲に言う。
 

「いいね。佳宏 ネーミングセンス あるじゃない。」

美咲は、意外な名前に 感心して笑顔で言う。
 


「幸輝はね 家族を 幸せに輝かせる子だから。幸輝の人生も ずっと輝いているよ。」

得意気に言う佳宏を見て 美咲は涙が溢れる。
 

「佳宏。」

そっと美咲は 涙を拭う。
 

「詩帆ちゃんも いい子にしているよ。すっかり お祖母ちゃん子になって。」

佳宏は 優しく言う。美咲は 静かに頷く。
 


「帰ったら フル回転で 協力してね。幸輝には 母乳を 飲ませないから。夜中のミルクも お願いね。」

笑って言う美咲に 佳宏も 嬉しそうに頷く。


美咲は 退院したら すぐに、佳宏と一緒の部屋で 眠るつもりだった。
 

「大丈夫。俺 有休もたくさん余っているから。いざとなったら 有休取るからね。」


と笑う佳宏に、
 

「そんな課長、いないから。佳宏、降格されるよ。」


と美咲は苦笑した。