まだ30代の二人。


家族の生活は 始まったばかりだけれど。



美咲は 老後の二人を想像できた。


定年後 詩帆も嫁いで 佳宏と二人で過ごす毎日。


一緒に散歩をしたり スーパーで買い物をしたり。


時々 訪ねて来る詩帆を 料理を作って 二人で待つ。
 


佳宏は いつも穏やかに 微笑んでいる。

買い物の帰りには 必ず荷物を持ってくれる。


たまには一緒に、山登りなどをして。


二人で 家族の思い出を 話しながら ゆっくりコーヒーを飲む。
 


どうして こんなに鮮やかに、佳宏との生活を 思い浮かべる事ができるのだろう。



二人の生活は あまりにも自然だから。


美咲は 何も恐れずに ありのままの自分を 見せられた。



そして佳宏も そんな美咲との毎日に 満足していると信じられた。