“ 産後クライシス” という言葉を知ったとき、美咲は 自分のことだと思った。 そういう人は たくさんいる。 みんな、それで悩んでいる。 だから佳宏を 拒否しても良いと 美咲は思ってしまった。 産後の 繊細な体の変化が、美咲を 佳宏から遠ざけた。 そして 情報に踊らされて 美咲は 佳宏に心を開けなかった。 麻有子と話したことで、美咲の視点が変わった。 簡単なことだったのに。 佳宏はずっと待っていてくれたのだから。