その夜は帰って、翌日 病院を訪れた佳宏。
 
「美咲、少しは 休めた?」

そっと美咲に 声をかける。
 

「うん。ありがとう。佳宏、今日は 眠かったでしょう。」

美咲は 晴れやかな笑顔で言う。
 
「それより、美咲と赤ちゃんが気になって 仕事にならなかったよ。」

佳宏は 恥ずかしそうに言う。
 

「明日から 赤ちゃん、ここに来るよ。」

美咲が言うと、佳宏は 嬉しそうに頷く。
 
「さっき 新生児室 覗いたら 眠っていたよ。」

と言う佳宏に、
 
「えー。私よりも先に、赤ちゃんに会ったの。」

美咲は 頬を膨らます。
 

「だって エレベーター下りると、新生児室の前じゃない。」

佳宏は 困った顔で笑う。