男は黙って俺の考えを聞き続けている。
「つまり、一時的にでも金銭的な援助と、お袋の就職斡旋なり、支援をしてくれた人がいる。
あんたがやってくれたんじゃないのか」
「…流石、あの二人の息子なだけあるな」
男は嬉しそうに笑い、肯定する。
「あ、援助した金は俺が正当な仕事で稼いだ金だから。安心していいよ」
「なんで、そこまでしてくれたんです?」
「なんで…。そりゃ、琴葉のこと、愛してるから」
その返事は想定してなかった。
…ふざけてるわけでもないみたいだ。
お袋、いろんな人に愛されてるんだな。お袋を知ってる人たちの顔が浮かぶ。
あった人、みんなみんなお袋の幸せを願っていた。
「ありがとうございました」
「うわ、やめてよ。恥ずかしいだろ?」
「それでも、俺が真っ当に生きてこれたのは、あんたのおかげだから」
頭を下げる。この人は、恩人であることに変わりない。


