お袋が落ち着くまで、肩をさすったりしていた。
お袋がようやく落ち着くと、何故か父親がお袋を隣に置きたがった。
「ヤキモチ焼きさんなの」
「違う」
「は?」
父親のしょうない理由に思わずため息をつく。
俺、一応息子なんだが。
「焔、ごめんね」
唐突な謝罪。
お袋は先程までとは一変、項垂れたように視線も合わなかった。
「勝手にいなくなったこと、貴方に何も言わなかったこと。全部、全部、ごめんなさい」
「…はじめこそ、スゲー心配した。でも、お袋が偽名だって知った時にはどこかでやっぱりって思ったんだよ」
素直に、正直に言葉をつなぐ。
ここで安っぽい言葉なんて、かける必要はないと思ったから。


