「頭、どこにいる?」
「っ姐さんのとこだと思います。…そいつは、一体……」
「こいつは、無関係だ。ま、白昼夢でも見たと思っときなよ」
男の言葉には逆らえないのか、それ以上の詮索はない。
男の案内で屋敷の中を進んでいく。すれ違う人、顔を合わせた人、誰もが俺を見て目を疑っていた。
「頭、面会だよ」
「あ?」
本宅とは、別の建物に案内され、扉越しに声が漏れてくる。
ややあって、扉は開かれると顔を見せたのは思わず俺も目を疑う男だった。
「お前…」
もし、自分の20年後の顔を見れる鏡があったとしたら。
その鏡に映るのは、きっとこんな顔なんだろうと自然と考えが浮かぶ。
なるほど、俺は確かに父親似らしい。
「母親に会いに来たんだってさ。会わせてあげなよ。事実を知った上でここまで来たんだからさ」


