「琴葉」
何年も呼ばれていなかった名前で呼ばれるのは、少し気恥ずかしい。
いや、それよりも油断していると泣きそうになる今の状況でそんなに優しく呼ばれると我慢できなくなりそう。
差し出された手に引かれて立ち上がると、揃ってお父さんの部屋を後にする。
「おっかえりー!ここちゃん!!そして、おめでとう!!!!」
パーンっと軽い弾ける音と共に、目の前に飛んできた無数の紙吹雪。
思わず顔を覆ったけど、こんなことをする人といえば1人しかいない。
「信洋さん…」
「再会の挨拶はあと!ほらほら!既成事実を作りにいくぞー!」
「聞こえがわりぃ」
それは季龍さんの意見に賛成。
私たちの視線はガン無視されて、別室に半ば連行されるように案内される。


