私のご主人様~ifストーリー~


「琴音さん、お待たせしましたっ!」

心結くんが車を停めて戻ってくる。先に入っていてもいいと言われたけど、流石に連絡なしの極道の家になんて入る勇気はなかった。

「行きましょうか」

「…はい」

心結くんのエスコートを受け、玄関を開ける。

「どういうことなのよ!!」

「このクソアマ!!!」

耳に飛び込んできた金切り声。2人の若い女が睨み合っている。その奥には、顔面蒼白の男が1人、呆れている人が複数。

…ド修羅場?

そんな言葉がぴったり合う状況に飛び込む形になってしまったらしい。

おまけに女2人から殺意にも似た視線が飛んでくる。

こっっわ!

「…お、お嬢………?」

殺伐とした雰囲気をもろともしない声は、森末さんだった。

呆れた顔をしていた人たちの中から出てきたんだろう。