山田君はトイレへと行ってしまった

私は近くのベンチで待っていた










カール「なーんか、明日死ぬ予定だった人には見えねーな。」









奈菜「まぁ。私は死ぬ気配なんて1ミリもありません〜!」









カール「………。」
カールは私を見つめている









奈菜「何?」







カール「いや……楽しそうでなにより。」








奈菜「ん。」
私は小袋を差し出した







カール「何?荷物持ち?」








奈菜「ちゃうわ。プレゼント。」











カール「………プレゼント。」



カール「………。」
カールは袋を開けた








奈菜「中身はパンダのストラップ!!カールに似てるから!!ははっ!」







カール「………。」
カールは泣いていた





奈菜「かっ……カール??なんで泣いてっ……。」







カール「泣いてなんかにゃい……ズズ。」







にゃいになっとるやん








奈菜「そんな私からのプレゼントが嬉しいか??……なんちゃって。」










カール「う、嬉しいから泣いとるんや!」









カール……









カール「人間……人間って温かいな。優しいよ。俺は他人なのに……。」




奈菜「他人って……!私からしたらカールは命を救ってくださる予定の天使さんじゃん?」









カール「………。」










野乃葉「奈菜ぁぁあー!」
遠くから野乃葉、大翔、山田君が来た








大翔………死んでない??





奈菜「野乃葉ー!あれ……山田君?」







琉星「大翔がヘルプって電話かけてきた。」
山田君は大翔に肩を貸していた







野乃葉「自転車こぎみたいなやつで全力尽くしたら………こうなった。あと、重度の乗り物酔い。」







大翔「やぁ……。」
大翔は顔が真っ青である







奈菜「これからまたバス乗って泊まるところに行くのに……。」







大翔「バスにの揺れくらい、大丈夫さ。」
大翔はグーサインをした








琉星「どの口が言ってんだ。」
山田君は大翔の頭を殴った







大翔「すんませんすんません。」







琉星「俺ら先にバス向かってる。野乃葉は買い物だろ?」







野乃葉「うん!そやから奈菜も先行ってて〜!」







奈菜「待っとくわ。野乃葉 迷子になりそうやし。」







野乃葉「………迷子なるな。じゃあここで待ってて!」
野乃葉はお店に走っていった








琉星「じゃあ、後で。」








奈菜「了解!」