「綾乃、大丈夫か?」


よかった、千景くんが来てくれて。


ホッと胸を撫で下ろしたとき、足から力が抜けて体がよろけた。


「っと」


そんなわたしの体を支えてくれる千景くんに、トクンと胸が高鳴る。


千景くんに触れられると、不思議とドキドキさせられる……。


「これだから目が離せないよ。もう外で待ち合わせるのは禁止。これからは俺の目が届く範囲にいてもらう」


「え……?」


「嫌だとは言わせないから」


もう怒ってはいないようだったけれど、威圧感たっぷりにものすごいことを言われてしまった。


「綾乃を危険な目に遭わせたくないんだ」


千景、くん……。


「そばにいてくれないと、守れないだろ?」


どうしてわたしなんかのために、そこまで優しくしてくれるの……?